Amazon EC2 料金モデルとコスト最適化
Amazon EC2では、ワークロードの要件に応じて最適なコスト効率を実現するため、複数の料金モデルを提供しています。適切な料金モデルを選択することで、最大72%のコスト削減が可能です。
オンデマンドインスタンス
基本概念
オンデマンドインスタンスは、長期契約や前払いなしで、使用した分だけ時間単位または秒単位(最低60秒)で料金を支払う従量課金制モデルです。固定費を変動費に変換し、ハードウェアの計画、購入、保守の複雑さから解放されます。
料金体系
- インスタンス起動から終了または停止まで、消費した時間に対して課金
- Linux、Windows、Windows with SQL(Enterprise、Standard、Web)インスタンスは秒単位課金
- その他のOSタイプは時間単位課金
最適な利用シーン
- 短期間で予測不可能なワークロード
- 開発・テスト環境
- 初回のアプリケーション実行
- 中断できないアプリケーション
オンデマンドキャパシティ予約
ビジネスクリティカルなワークロードに対して、特定のアベイラビリティーゾーンでコンピューティングキャパシティを予約できます。これにより、キャパシティ制約によってオンデマンドキャパシティを取得できないリスクを軽減します。
Savings Plans
Compute Savings Plans
最も柔軟性が高く、オンデマンド料金と比較して最大66%のコスト削減を実現します。1年または3年の使用量コミットメント($/時間)と引き換えに、EC2、AWS Lambda、AWS Fargateの使用量に自動的に適用されます。
主な特徴:
- インスタンスファミリー、サイズ、AZ、リージョン、OS、テナンシーに関係なく適用
- C4からM5への変更、EU(アイルランド)からEU(ロンドン)への移行、EC2からFargateへの移行時も継続適用
EC2 Instance Savings Plans
最も低価格を提供し、オンデマンドと比較して最大72%のコスト削減を実現します。特定のリージョンの個別インスタンスファミリーへの使用量コミットメントと引き換えに提供されます。
主な特徴:
- 選択したリージョンの特定インスタンスファミリー内で、AZ、サイズ、OS、テナンシーに関係なく適用
- 例:バージニア州のM5ファミリー内でc5.xlargeのWindowsからc5.2xlargeのLinuxへの変更時も自動適用
リザーブドインスタンス
Standard Reserved Instances
マーケットプレイスでの売買が可能ですが、他のリザーブドインスタンスとの交換はできません。
Convertible Reserved Instances
新しい属性を持つ他のリザーブドインスタンスとの交換が可能ですが、マーケットプレイスでの売買はできません。
Scheduled Reserved Instances
定期的な時間帯での利用に対して、インスタンスのタイムシェアリングによるコスト削減を実現します。
Amazon EC2 Reserved Instances Marketplace
既存のリザーブドインスタンスの売買が可能で、部分的な期間が残っているリザーブドインスタンスの購入コストは、新規購入よりも大幅に安くなる場合があります。
スポットインスタンス
スポットインスタンスは、リザーブドインスタンスでもオンデマンドインスタンスでもない、大幅なコスト削減を実現するインスタンスタイプです。リザーブドまたはオンデマンドインスタンスの要求が現在のアベイラビリティーゾーンのキャパシティを超えた場合、中断される可能性があります。
最適な利用シーン
- 障害耐性のあるアプリケーション
- バッチ処理
- データ分析
- 他のインスタンスタイプと組み合わせてさらなるコスト削減を実現
Dedicated Hosts
基本概念
Dedicated Hostsは、お客様専用の物理サーバーで、企業のコンプライアンス要件への対応を支援します。Microsoft、Oracleなどのベンダーからの既存ソフトウェアライセンスをAmazon EC2で使用できます。
主要メリット
ライセンスコストの節約 ソケット単位、コア単位、VM単位の既存ソフトウェアライセンス(Windows Server、SQL Server、SUSE Linux Enterprise Server、Red Hat Enterprise Linuxなど)を活用できます。
コンプライアンス要件への対応 専用サーバーでのインスタンス実行が必要な組織に対して、特定の物理サーバーでのインスタンス配置の可視性と制御を提供します。
自動ホストメンテナンス AWS License Managerとの統合により、ライセンス管理の管理タスクを自動化し、ホスト割り当てとキャパシティ使用率の管理設定を指定できます。
コスト最適化のベストプラクティス
適切な料金モデルの選択
- 予測可能な継続的ワークロード:Savings Plans
- 短期・予測不可能なワークロード:オンデマンド
- 障害耐性のあるワークロード:スポット
- ライセンス要件・コンプライアンス:Dedicated Hosts
ハイブリッド戦略の活用
複数の料金モデルを組み合わせることで、ワークロードの特性に応じた最適なコスト効率を実現できます。
引用元:
- https://aws.amazon.com/compare/the-difference-between-on-demand-instances-and-reserved-instances/
- https://aws.amazon.com/savingsplans/compute-pricing/
- https://aws.amazon.com/ec2/dedicated-hosts/
- https://aws.amazon.com/ec2/pricing/on-demand/
- https://docs.aws.amazon.com/savingsplans/latest/userguide/plan-types.html
- https://aws.amazon.com/ec2/pricing/
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