New Relic Browser Agent設定リファレンス - 基本設定ガイド ​

New Relic Browser Agentは、様々な設定オプションを提供しており、アプリケーションの要件に応じてカスタマイズが可能です。この記事では、主要な設定項目とその使用方法について解説します。

設定の基本構造 ​

Browser Agentの設定は、window.NREUM.loader_configオブジェクトを通じて行います。

javascript
window.NREUM.loader_config = {
  // エージェント基本設定
  agent: {
    // エージェント動作の基本パラメータ
  },
  
  // プライバシー設定
  privacy: {
    // データ収集とプライバシー保護の設定
  },
  
  // SPA監視設定
  spa: {
    // Single Page Application固有の設定
  }
};

主要設定項目 ​

エージェント基本設定 ​

javascript
agent: {
  // デバッグモード（開発環境でのみ有効化）
  debug: false,
  
  // データ収集間隔（秒）
  harvestTimeSeconds: 60,
  
  // 最大イベント数
  maxEventsPerHarvest: 1000
}

debug: 開発環境での詳細ログ出力を制御します。本番環境ではfalseに設定してください。

harvestTimeSeconds: データ送信の間隔を秒単位で指定します。短いほどリアルタイム性が向上しますが、ネットワーク負荷が増加します。

プライバシー設定 ​

javascript
privacy: {
  // クッキーの使用許可
  cookies_enabled: true,
  
  // 分散トレーシング設定
  distributed_tracing: {
    enabled: true
  },
  
  // IPアドレスの収集制御
  capture_ip: true
}

SPA監視設定 ​

javascript
spa: {
  // SPA監視の有効化
  enabled: true,
  
  // ルート変更の自動検知
  auto_route_change: true,
  
  // Ajax完了待機時間（ミリ秒）
  ajax_wait_time: 1000
}

環境別設定の実装 ​

開発、本番環境での設定分岐の基本的な実装例です。

javascript
function getEnvironmentConfig() {
  const isProduction = window.location.hostname.includes('production.com');
  
  const baseConfig = {
    agent: {
      debug: !isProduction,
      harvestTimeSeconds: isProduction ? 60 : 30
    },
    privacy: {
      cookies_enabled: true
    },
    spa: {
      enabled: true
    }
  };
  
  return baseConfig;
}

// 設定の適用
window.NREUM.loader_config = getEnvironmentConfig();

データマスキング設定 ​

機密情報を保護するための基本的なマスキング設定です。

javascript
privacy: {
  // 入力マスクオプション
  mask_input_options: {
    password: true,
    email: false,
    tel: true,
    text: false
  },
  
  // マスクするセレクタ
  mask_selectors: [
    '[data-sensitive]',
    '.sensitive-data'
  ]
}

Ajax監視設定 ​

javascript
ajax: {
  // Ajax監視の有効化
  enabled: true,
  
  // 監視しないURL（拒否リスト）
  deny_list: [
    'analytics.google.com',
    'js-agent.newrelic.com'
  ],
  
  // 内部通信のブロック
  block_internal: false
}

エラー監視設定 ​

javascript
jserrors: {
  // JavaScriptエラー監視の有効化
  enabled: true,
  
  // 最大エラー数
  max_events_per_harvest: 1000,
  
  // 無視するエラーパターン
  ignore_errors: [
    /Script error/,
    /ChunkLoadError/
  ]
}

設定のベストプラクティス ​

セキュリティ最優先 ​

機密データの保護では、プライバシー設定を適切に構成し、個人情報の収集を防止します。

パフォーマンス最適化 ​

サンプリング率の調整により、トラフィック量に応じて適切な設定をして、システム負荷を管理します。

運用効率化 ​

環境別設定により、開発と本番環境で異なる設定を使用し、適切な監視レベルを維持します。

まとめ ​

New Relic Browser Agentの設定により、アプリケーションの要件に最適化された監視システムを構築できます。基本的な設定から始めて、必要に応じて段階的に設定を追加していくことをお勧めします。

主要な設定ポイント：

  • 環境に応じたデバッグモードの切り替え
  • プライバシー保護のためのデータマスキング
  • SPA環境での適切な監視設定
  • Ajax通信の監視対象の選択
  • エラー監視の適切な設定

これらの設定を参考に、あなたのアプリケーションに最適な監視環境を構築してください。

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