AWS CodePipeline承認プロセス入門 - 安全なデプロイのための承認の仕組み
アプリケーションを本番環境に公開するとき、「本当に今、公開しても大丈夫かな?」と不安になることがありますよね。CodePipelineには「承認」という機能があり、重要な作業の前に人間が最終確認できる仕組みが用意されています。
この記事では、CodePipelineの承認機能がなぜ必要で、どのように動作するのかを初心者の方でも分かるように説明します。
承認機能とは何か?
まず、承認機能がどのような仕組みなのか、身近な例で理解してみましょう。
承認が必要な理由
コンビニで新商品を発注するとき、アルバイトスタッフが勝手に大量発注すると大変なことになりますよね。同じように、アプリケーションの本番公開も、誰かがチェックしてから行う方が安全なのです。
承認機能の基本的な流れ
- 準備完了: アプリのビルドやテストが全て完了する
- 承認待ち: 責任者に「公開していいですか?」と確認する
- 承認・却下: 責任者が「OK」または「まだダメ」を判断する
- 実行・停止: 承認されれば公開、却下されれば作業停止
承認はどのように動作するのか?
実際に承認がどのような流れで行われるのか、分かりやすい例で見てみましょう。
承認が必要になるタイミング
承認が必要になる場面は主に次のようなときです:
1. 本番環境への公開前
ユーザーが実際に使う環境に変更を加える前に、「本当に公開して大丈夫か?」を確認します。
2. 重要な機能を変更するとき
- ログイン機能の変更
- 決済システムの更新
- データベース構造の変更
3. 大きな影響が予想される場合
- 多くのユーザーに影響する変更
- システム全体の動作に関わる変更
- 一度変更すると元に戻しにくい変更
承認者の役割
承認を行う人は、次のようなことを確認します:
確認すべきポイント
- 変更内容の理解: 何が変更されるのか
- 影響範囲の把握: どの部分に影響があるか
- リスクの評価: 問題が起きる可能性はあるか
- タイミングの適切性: 今公開して良いタイミングか
承認の判断基準
✅ 承認する場合:
- テストが全て成功している
- 変更内容に問題がない
- 公開に適したタイミング
❌ 却下する場合:
- まだ確認が必要な点がある
- 問題が発見された
- 公開のタイミングが適切でない
承認機能を実際に使ってみよう
承認機能の基本的な仕組みが理解できたところで、実際にどのような場面で使われるかを見てみましょう。
実際の承認の例
この例では:
- 開発者がウェブサイトのデザインを変更
- システムが自動的にビルドとテストを実行
- 問題がなければ承認待ち状態になる
- 責任者(例:デザイナーやプロジェクトマネージャー)が変更内容を確認
- 問題なければ承認して、サイトが更新される
承認が役に立つ場面
1. 初心者がチームに参加したとき
新しく入ったメンバーの変更は、経験豊富な先輩がチェックしてから公開することで、問題を未然に防げます。
2. 重要な機能を変更するとき
ログイン画面や決済機能など、ユーザーにとって重要な部分は、特に慎重に確認する必要があります。
3. 忙しい時期の変更
年末年始やセール期間など、問題が起きると大変な時期は、いつも以上に慎重な確認が必要です。
承認のメリット
安心感
「誰かがチェックしてくれる」という安心感があることで、開発者も余計な不安を感じることなく作業に集中できます。
品質向上
複数の目でチェックすることで、一人では気づかない問題を発見できる可能性が高まります。
学習効果
経験豊富な人からのフィードバックを通じて、チーム全体のスキル向上につながります。
まとめ
この記事では、CodePipelineの承認機能について学びました。
覚えておきたいポイント
- 承認機能の目的: 重要な変更前に人間が最終確認する安全装置
- 承認の流れ: 準備完了 → 承認待ち → 承認/却下 → 実行/停止
- 承認者の役割: 変更内容を理解し、リスクを評価して適切に判断する
承認機能の価値
承認機能は単なる「チェックポイント」ではありません。チームの安心感を高め、品質を向上させ、みんなで学び合う機会を作る、とても価値のある仕組みなのです。
CodePipelineの承認機能を上手に活用することで、安全で効率的なアプリケーション開発ができるようになります。次の記事では、パイプラインの監視とトラブルシューティングについて学んでいきましょう。