はじめに
Part 3ではメトリクスを収集し、PromQLで分析し、Grafanaダッシュボードで可視化する方法を学びました。ここからは、その監視データを活用して「問題を自動検出し、関連者に即座に通知する」仕組みを構築します。
ダッシュボードは優れた監視ツールですが、24時間人間が画面を眺めることはできません。大切なのは「問題発生時に素早く気づき、迅速に対応すること」です。メトリクスがしきい値を超えたら自動的に通知する仕組みを備えることで、人的負担を減らし、問題対応を迅速化できます。
Part 4では、Prometheus・AlertManager・Grafanaの3層で、アラート・通知機能の全体像を学びます。
なぜアラートが必要か
自動アラートシステムがあれば、人間が常時監視していなくても、メトリクスがしきい値を超えた瞬間に通知が届きます。人的負担が減り、問題対応が迅速になるわけです。
3層アーキテクチャの理解
アラート・通知システムは3つの層で構成されます。
Prometheusレイヤーが「何が問題か」を判定し alert を生成します。アラートルール(alerting_rules)のPromQLクエリが条件を満たすと発火するわけです。
AlertManagerレイヤーが「誰に、どう知らせるか」を管理します。アラートをルーティング、グループ化し、Slack・メール等へ配信するというわけですね。
Grafanaレイヤーはアラート状態をダッシュボード上で可視化し、運用チームが状態を一目で把握できるようにします。
アラート通知フロー図
このフローの中で、Prometheus が alert 発火の瞬間を判定し、AlertManager がそれをどこへ配信するかを決め、Grafana がその状態をダッシュボード上に表示するという、3層が連動してアラート・通知システムが動作する仕組みになっています。
Part 4のロードマップ
Part 4-1: Prometheusレイヤーの実装。アラートルール定義の基本を学びます。expr・for・labels・annotationsの4要素と、PromQLでの条件判定パターンを習得します。
Part 4-2: AlertManagerレイヤーの実装。アラートのルーティング、グループ化、複数通知先(Slack・メール等)への配信を学びます。
Part 4-3: Prometheus・AlertManager・Grafanaの3層を統合した運用実装。実務ベストプラクティスと設計パターンを習得します。
次のステップ
Part 4-1では、アラートルール(alerting_rules)の書き方を学びます。PromQL(Part 3-2で学習)を活用し、実務で頻繁に使うパターンを習得していきます。
ナビゲーション
前のパート:Part 3-3 - Grafanaダッシュボード構築
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